2014年6月3日、もものこぶんこスタッフの河野美咲さんが急逝しました。
とても急なことで、私たちスタッフは大きな驚きと深い悲しみでいっぱいです。
ぶんこに来てくださる皆さんにも、急なことで驚かせてしまって、申し訳なく思っています。
河野美咲さんは、幼少の頃より、「ももやまぶんこ」に通い、本に親しんできました。
中学生の頃に病気になり、車椅子生活が始まってからも、お母さんや姉といっしょに「ももやまぶんこ」に通っていました。
本自体も好きでしたが、本のある空間、「ももやまぶんこ」という場所が大好きでした。
「ももやまぶんこ」の閉館が決まった時、とても悲しみ、何とか続けて欲しいと訴えた絵を描きました。
ぶんこがブルドーザーで壊されて、それを子どもが泣いて「やめて」と言っている絵です。
その絵を見て、姉の河野美苗さんは、美咲さんと一緒に、ぶんこを支える活動をしていこうと決意しました。
「ももやまぶんこを支える会」の活動に関わり、「もものこぶんこ」の設立にも携わりました。
「もものこぶんこ」のオープンの日に撮った写真の美咲さんの笑顔は、とても輝いています。
「もものこぶんこ」に飾ってある、木彫りの看板は、美咲さんとお母さんが一緒に彫ったものです。
オープンしてからも、開館日にはほぼ顔を出し、子どもたちにお菓子をあげたり、一緒にトランプやかるたをするのをとても楽しみにしていました。
絵本の中では『ミッケ』『ぼちぼちいこか』『トサカにごはん』『りんごどろぼうはだあれ?』『しりとりしましょ』『大阪うまいもんのうた』が大好きで、特に『ぼちぼちいこか』は、文章をすべて暗記していました。
歌うことも大好きで、長谷川義史さんの「柴犬のチャイ」や「大阪うまいもんのうた」のCDを擦り切れるほど聞いて、歌っていました。
2013年8月に行われたマイクロ・ライブラリーサミットでは、たくさんの方の前で『ぼちぼちいこか』を読ませていただきました。
2014年3月には、伊藤忠財団の助成金贈呈式にも参加させていただきました。
「もものこぶんこ」でたくさんの友達を作り、たくさんの経験をして、本当に嬉しいと、美咲さんも常々言っていました。
本当なら、これからも、もっともっと、「もものこぶんこ」で活動したかったことと思います。
美咲さんのいない「もものこぶんこ」は、少し広く、静かに感じ、私たちもとても寂しいです。
美咲さんはこれからは、「ぼちぼちいこか」と言いながら、天国で私たちのことを見守ってくれることでしょう。
美咲さんの愛した「もものこぶんこ」を、子どもたちの笑顔の絶えない、楽しい場所になるよう、大切にしていきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
2014年6月24日 もものこぶんこ