本日のこどもの本

注目の新刊やフェア、気になる本、児童書にまつわる話を、エナミを中心にメンバーが、つれづれ綴るコーナーです。

9月1日(火) レポート・奈良教育大学主催 絵本ギャラリーin奈良

8月30日、奈良教育大学での内田麟太郎さんの講演会に行ってきました。
大講義室(階段教室)が満員の盛況でした。内田さんは、68歳、小柄で、職人さんを思わせる風貌の方でした。主催者側から“「ともだちや」に話を絞ってください“と要望があったとかで、画像を豊富にみせながら、自分が本質的にナンセンス作家であったこと、「ともだちや」の誕生まで(ナンセンス絵本があまり売れなくて、副業の看板描きの仕事も、コンピューターに奪われ、奥さんも失業されて、給食のパートに・・・という窮乏生活時代)と、「ともだちや」の誕生秘話(?)――偕成社の編集者さんのことばに心を動かされて、「売れる」と自分で確信していたが、見せるのをためらっていた原稿を託したこと、画家が降矢ななさんに決まったいきさつなどーー、さらにシリーズ化されてからの、画家や編集者とのやりとりなど、ひょうひょうとした語り口で、実に面白く、笑いっぱなしでした。
教育大のキャンパスでは、「絵本ギャラリー in 奈良」という催しをやってはって、バリアフリー絵本の部屋(布絵本や点字本など)、赤ちゃん絵本のへや、1日文庫、などいろいろの展示があり、(おはなしのへやもあったのですが、時間が合わず聞けませんでした。残念!)ざっと見ましたが、脚が悲鳴を上げだしたので退散し、最後に図書館を拝見。嬉しいことにここの本は配列規則らしきものがなく、気ままに並んでいたので、きちんと順番に並べなければ・・・といういつもの職業病に悩まされることなく、ゆっくり楽しむことができました。(ネギシ)

9月8日(火) 新刊・『ぐりとぐらのおまじない』『ぐりとぐらのしりとりうた』

ぐりとぐらの新刊がでました!小さなサイズの絵本です。いろんな書店さんでぐりとぐらフェアも実施されています。『ぐりとぐらのしりとりうた』を楽しみにしていたのですが、意外にも『ぐりとぐらのおまじない』がツボでした。朝起きた時、まだ眠くても、「ちちんぷいのぱっ!」でぱっちり目を覚まそう、に始まり、あれもこれも欲しい!と思ってしまったときには「ちちんぷいのぷい!」、片づけが嫌だなって思った時は「ちちんぷいぷいのえい!」など、自分を力づける呪文がたくさんあります。こうやって、毎日自分に呪文をいいきかせて、嫌なこともエイ!とやってしまう癖をつけたいなあと思います。(『ぐりとぐらのおまじない』『ぐりとぐらのしりとりうた』なかがわえりこ・作 やまわきえりこ・絵 福音館書店)

9月14日(月) 新刊・『Letters−レターズ−』

遠いところに住む友達へ、ほんの近くに住む友達にも、手紙を送ると、直接会うのとはちょっと違った親密な気持ちになりますよね。工藤ノリコさんが描く、てがみのやりとりの絵本。やわらかいパステル調の色が、心を暖かくします。この味わいは、ちょっと大人向けかな?
(『Letters−レターズ−』工藤ノリコ・作 偕成社)

9月14日(月) 新刊・『大阪うまいもんのうた』

「大阪にはうまいもんがいっぱいあるんやで〜」大阪ではおなじみの手遊びうたが、絵本になりました。もものこぶんこのおはなし会でも、歌ったことがあります。絵は長谷川義史さんです。細かいところにも「ネタ」がしこんであって、楽しいです。大阪うまいもんへの愛情たっぷりの絵本です。
(『大阪うまいもんのうた』長谷川義史・作 佼成出版社)

9月16日(土) 新刊・『おはなをどうぞ』

三浦太郎さんの新刊です。カラフルなお花を腕いっぱいに抱えた女の子。おはなはお母さんにあげるつもり。でも道中でいろんな動物さんにであっていくうちに・・・。色合いがきれいで、心もあたたかくしてくれます。よみきかせにも楽しい本。
(『おはなをどうぞ』三浦太郎・作 のら書店)

9月26日(土) 展覧会・いもとようこ原画展

25日から、30日まで、近鉄百貨店阿倍野店 9階アート館にて、いもとようこさんの原画展が実施されています。あたたかいタッチが根強い人気のいもとようこさん。金の星社から出ている世界と日本の名作絵本シリーズや、あかね書房から出ているくりのきえんの季節絵本シリーズが人気です。最近は画集もでました。あのやわらかい線はどうやったら描けるんだろう?原画展はその秘密を垣間見れるまたとない機会です。是非見に行ってみてください。
(午前10時から午後8時・最終日は午後5時まで。一般500円、中高小学生・300円、幼児無料)