本日のこどもの本・2009年2月

注目の新刊やフェア、気になる本、児童書にまつわる話を、エナミを中心にメンバーが、つれづれ綴るコーナーです。

2月2日(月) 新刊・『ぬしもり山のまねっこ木』

いまや現代絵本に欠かせない存在となった100%ORANGEの、及川賢治さんの新刊が出ていました。今回は椎名誠さんの文章とのタッグです。
色合いがレトロですてき。絵本にしてはページ数が多いです(のでまだ中身は未確認)。ファンは本屋さんへ急げ!
(『ぬしもり山のまねっこ木』作・椎名誠 絵・及川賢治 国書刊行会 2009年)
追伸・あんびるやすこさんの魔女商会の新刊も出てました!芋洗坂課長が絵本を出してました・・・。

2月2日(月) 祝受賞・『戸村飯店青春100連発』

瀬尾まいこさんの『戸村飯店青春100連発』が、坪田譲治文学賞を受賞したそうです。
舞台は大阪と東京ですが、登場人物は大阪の人々のお話です。バリバリオモロイ大阪人の弟と、大阪人やからって、全員がオモロイこと言えるわけちゃうねんぞー!と言う兄のお話。どっちにも共感できるんです。
こう書くと、兄弟の対立モノ?と思ってしまいますが、両方を肯定できる優しい視点で描かれています。
ただ、戸村飯店に集まるお客様たちが、案外リアリティがない(こんなやつおらへんやろー)のが、少し残念です。
ともあれ、大阪人必読の書です。(『戸村飯店青春100連発』瀬尾まいこ・作 理論社 2008年)

2月14日(土) 東京・プーク人形劇場

プーク

久しぶりの更新となってしまいました。先週末、東京に行ってきました。
新宿にある、プーク人形劇を観にいってきました。小さくて、とてもかわいい劇場です。
演目は『ワニが町にやってきた』と『キツネとねずみ』。両方ともステキ過ぎて鼻血が出そうでしたが、特に『ワニが町にやってきた』がよかったです。
出てくるワニが、チェブラーシュカのゲーナのように可愛く、色合いもチェブラーシュカの世界。音楽もアコーディオン。4人しか演者がいないのに、たくさんの人形がわんさか出てきて、てんやわんやな街の様子がしっかり描かれています。
ずっと観ていたかった・・・。東京に行った際は是非お立ち寄りください!なお勧めスポットです。

2月15日(日) 新刊・『ペネロペ ルーブルびじゅつかんにいく』

多くのしかけ絵本が出ていますが、ペネロペのしかけ絵本は、しかけが「とび出す」というより、「平面で展開する」ものが多く、ちょっと他のしかけ絵本とは違うところが、私はとても好きです。
そんなペネロペのしかけ絵本、今度はルーブル美術館がテーマ!2月下旬発売だそうです。楽しみ!
3月には、エリックカールの『はらぺこあおむし』もしかけ絵本で登場するらしく、こちらも相当楽しみです。とはいえ、しかけ絵本は高価ですので、今からお財布も心配・・・。
(『ペネロペ ルーヴルびじゅつかんにいく』アン・グットマン ぶん ゲオルグ・ハレンスレーベン え ひがし かずこ やく 岩崎書店 1995円)

2月17日(火) 今日よんだ本・『せかいでいちばんつよい国』

ある国の大統領が、自分の国が一番と信じて、世界征服をたくらみます。世界のたくさんの国を征服して、最後に残ったのは、小さな小さな国。
こんな小さな国ならすぐに征服できると考えた大統領ですが・・・。本当に一番強い国とは、どんな国なんでしょう?本当に正しいことは何なのでしょう?はっきりと「答え」はかきませんが、読めばすっと答えがわかる絵本です。
平和について考えるときに読みたい一冊。
(『せかいでいちばんつよい国』デビット・マッキー・作 なかがわちひろ・訳 光村教育図書 2005年 1575円)

2月19日(木) 新刊・『せかいをみにいったアヒル』

「写真絵本の先駆け!」みたいな文句の帯がかかっていました。復刻版なのかな?あの、マーガレット・ワイズブラウンが文で参加している写真絵本です。
荒削りではありますが、たしかに今流行りの猫本などに通じるようなかわいさがあります。ああ、昔からこういう感じが「カワイイ!」だったのだなあ。
題名と表紙が秀逸!手にとってみたくなる。そして、マーガレットワイズブラウンらしいウィットにとんだ文章も。
(『せかいをみにいったアヒル』 作: マーガレット・ワイズ・ブラウン 写真:イーラ 訳: ふしみみさを 徳間書店 2009年 1,470円)

マジックツリーハウスの新刊が出ていました。このシリーズも長いですね。読んだことないのです。でも子どもたちにあれだけ支持されているということは、きっとおもしろいのだろうな。いつか読みたい。


2月20日(金) 新刊・『りんごがころん』『てんとうむしぱっ』

ひときわ目をひく新刊をご紹介。ヒットが予想されます。二日連続になってしまいましたが、今日ご紹介するのも写真絵本です。
「りんごが・・・→ころん」「かえるが・・・→ピョーン」と、いろんな物や動物の動きが写真で表現されています。『ピョーン』と『だるまさんが』の楽しさを合わせたような本です。というか装丁や内容が、それぞれちょっと被っているところもあるのですが、写真の表現がおもしろいし、中川さんらしいセンスが光ることばのチョイスも見どころ。
私は、良い本は似ているものが何冊あってもいい、と思います。子どもにとっても、良い本に出会うチャンスがそれだけ増えるし、あの本とこの本のここが似てる!という発見をする楽しみがあると思います。私にとっても、児童書の楽しみの一つが、似ている本をみつけることだったりもします。
ともあれ、この本、読みかせにぴったり!ああ、早く読み聞かせたい・・・読み聞かせてもらいたい・・・。
よみきかせを意識しているのか?『りんごがころん』の最後は、ろうそくの火が消えるところで終わります。
(『りんごがころん』『てんとうむしぱっ』中川ひろたか・文 奥田高文・写真 ブロンズ新社 2009年 各800円)

追伸・ペネロペの新刊、出てました!予想を裏切らない出来ばえ!こちらも是非手に取ってみてください。

2月21日(土) 季節の本・おひなさまの本

おひなさま




もうすぐひなまつり。本屋さんでは、節分と入れ替わりで、ひなまつりの本が並んでいます。



ひなまつりの起源について書かれている本は『ひなまつりにおひなさまをかざるわけ』(瀬尾七重・作 岡本順・絵 2001年 教育画劇)。
『おばあちゃんのひなまつり』(計良ふき子・作  相野谷由起・絵 ひさかたチャイルド 2008年)や『もりのひなまつり』(こいでやすこ・作 福音館書店 2000年)は、おひなさまが動き出すというところがおもしろい。
『わたしのおひなさま』(内田麟太郎・作 山本孝・絵 岩崎書店 2005年)は、おひなさまを川に流す風習をヒントに、川に住む河童との友情を描いたファンタジー。
『ぼくやってみるよ』(寺村輝夫・作 いもとようこ・絵 あかね書房 1983年)は、男の子からの目線のひなまつり。『ぶたさんちのひなまつり』(板橋敦子・作 ひさかたチャイルド 2008年)には、ひなまつりの楽しみ方のヒントが。 『ぶたさんちのひなまつり』のように、自分でおひなさまを作るのも、楽しいですね。写真は去年の3月のおはなし会のプレゼント、おりがみで作ったおひなさまです。

2月24日(火) 新刊・ぞくぞく村シリーズ『のっぺらぼうぺらさん』

NHKでもたまに放送されているぞくぞく村シリーズに、久しぶりの新刊が出ました。
ぞくぞく村のレストランを経営する、のっぺらぼうのぺらさんが主人公です。
イラスト満載で、楽しい仕上がりになっていました。レストランは大繁盛で、ぞくぞく村のおなじみのメンバーがどんどんやってくるのも楽しい!
(『のっぺらぼうぺらさん』末吉暁子・文 垂石真子・絵 2009年 あかね書房 900円)

2月25日(水) 新刊・Pooka+ 『荒井良二 日常じゃあにい』

最近よくみかけますが、2月3日発売ということは、もう新刊ではないのか・・。
第一弾は100%ORANGEさん、第二段は酒井駒子さんと、人気作家が取り上げられてきたPooka+ですが、今回も期待を裏切らな出来。
荒井良二さんの魅力がたっぷり詰まった一冊になっています。
バスへのライブペインティグもすごいです。あんなバスが街を走っていたら楽しそうです。
(Pooka+ 『荒井良二 日常じゃあにい』Pooka編集部・編 学研 2009年 1400円)

2月28日(土) おはなし会裏話

あひる

本日はおはなし会でした。懐かしい人が来てくれて、盛り上がりました。
私はエプロン芝居の新作を・・・作りたかったのですが時間がなく、去年のこの時期にやったものをリメイクしました。登場動物ににわとりがいるのですが、手元にいるのはアヒル!でも、よくよく観ると・・いけるかも!ということで、アヒルをにわとりに大変身!?させました。
妹にビフォアアフターの写真を見せたものの、大不評!「アヒルを殺した!」と涙ながらに抗議されました。倫理的にやっぱりまずかったかも・・・。