おすすめの本
季節やテーマに沿ったおすすめ絵本を紹介します。
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私のすきな本
もものこぶんこのメンバーそれぞれの、とっておきの好きな本をご紹介します。
ネギシ 編
わたしとあそんで
マリー・ホール・エッツ・作 よだじゅんいち・訳
福音館書店 1968年・えほん
原っぱに遊びに出かけた「わたし」(幼い女の子)は、出会った生きものたちに、「あそびましょ」と呼びかけて近寄ろうとしますが、みんなするりと逃げてしまいます。
でも、「わたしが おとをたてずに こしかけていると」ばった、かえる、かめ、りす、かけす、うさぎ、へび、みんな「わたし」のそばにもどってきます。そのうえ、しかのあかちゃんまで!
幼いころから「もっと積極的に!」と叱咤され続けられてきた私にとって、はじめて「じっとすわっててもいいんやよ」とやさしく言ってもらえた忘れがたい一冊です。
クリーム地にラフデッサンのように描かれた絵が魅力的です。
点子ちゃんとアントン
エーリヒ・ケストナー・作 高橋健二・訳
岩波書店 1967年 (ケストナー少年文学全集 3)・よみもの
贅を尽くした我が家の居間で、娘の点子が哀れっぽい声でマッチ売りの稽古をしているのを、父親の支配人ポッゲ氏が唖然と見守っている場面で、この物語は幕をあけます。以下、舞台劇をみるような、めりはりの利いた展開で、この不思議な光景の「なぜ?」と始末が、アントン少年との友情を横糸に、実にテンポよく語られます。全編を貫くユーモアのセンスとアントン母子を描くあたたかな筆は、『雪の中の三人男』や『私が子どもだったころ』の著者の面目躍如たるものがあります。
空想力豊かで、犬のビーフケに赤頭巾の演技を要求したり、「3x8は?」ときかれると「120÷5」と答えるちょっと変わった点子は、アントンのために担任の先生と対決する勇気と行動力の持ち主でもあります。母に寄り添って、生活と戦いながら目いっぱい生きている頭も体力もあるアントン、とぼけたダックスフントのビーフケも魅力的です。そのほかの登場人物(陽気で頼もしいお手伝いのでぶのベルタ、“すこぶる背が高く、すこぶるやせていて、すこぶる頭がへん”な家庭教師のアンダハト嬢とその“おむこさん”の悪魔のローベルト(この二人は例のマッチ売りに大いに関係あり)、点子をゆする門番の息子クレッペルバイン・・・)も生き生きと描かれていて声が聞こえるようです。「はじめて気の合うおじさんに出会えた」と小学校4年生の私がいっぺんに大好きになった本です。
猫の帰還
ロバート・ウェストール・作 坂崎麻子・訳
徳間書店 1998年・よみもの
時は1940年5月、イギリス空軍将校ジェフリー・ウェンズリーの愛猫、黒い雌のロード・ゴート(ときの司令官の名に因んだ)は、主人が出征し、その妻に連れられて移った環境を嫌って、ジェフリーの痕跡を追い、東へ北へとどこまでも旅を続けます。彼女がその旅の途中で出会った人たちーー内気で孤独な対空監視員のストーカー、出征中の夫の留守を守り、かたくなに殻に閉じこもっているスマイリー夫人とその家に止宿する兵隊たちのリーダースミス軍曹、老境に入って気力をうしないつつある馬車屋のオリー、夫の戦死の報を受け取って以来、生きる意欲をなくした作家のスーザン・マリオット、そして若く自信のない空軍兵士のトミー・ハリソンーーは、それぞれに戦争に痛めつけられ、希望を失っていますが、ロード・ゴートと暮らすうちにいつしか自分とまっすぐに向き合い、新しい一歩をふみだす勇気を得ます。
ひょんな事から空軍のマスコットになり、戦闘機に乗り込んで何度も出撃し、果ては撃墜されて、フランスからスペイン、ポルトガルまで旅をしたロード・ゴートはついに1941年8月、ご主人さまの家に帰り着きますが・・・
コヴェントリーのすさまじい大空襲や、ドイツ機との空中戦の場面の迫力、ロード・ゴートを擬人化せず、猫そのものとして描出しながら狂言回しとして巧みに使う構成、伏線のゆるぎない張り方の巧みさ・・・ イギリス小説の醍醐味を味わえる読み応えのある一冊です。
ナカタニ 編
からすのパンやさん
かこさとし・作
偕成社 1973年・えほん
4人の子育ての中でどの子も大好きな1冊で何度も何度も読みました
。誰もが好きなページはもちろんおいしそうなパンがいっぱい出てくるあのペー
ジです。子どもたちが地域と関わりながら育つことがさりげなく伝わってきて、
とっても素敵なおはなしだと思います。
ゲド戦記 T〜X
アーシュラ・K・ル=グウィン・作 清水真砂子 訳
岩波書店 T/1968年 U/1971年 V/1972年 W/1990年 X/2001年・よみもの
いわずと知れた本です。一人の魔法使いゲドの生き様を描いた長編ファンタジー。
とっても深い読み物です。人生を考えさせられました。特に「帰還」が
しんどいけれど一番好きです。
ナルニア国物語
C.S.ルイス・作 瀬田貞二・訳
岩波書店 1966年・よみもの
本だいすきの私に児童図書への火をつけた一冊です。この本のおか
げで、司書教諭の単位を取ることになりました。
ハマサキ 編
こんとあき
林明子・作
福音館 1989年・えほん
こんはあきが生まれる時に、おばあちゃんが作ってくれたきつねのぬいぐるみです。
この物語は、幼いあきと小さなこんの二人旅のお話です。
私にとって、この絵本との出会いが、林明子さんの世界に、そして絵本の世界へと向いてゆくきっかけとなりました。高校生になった長女も推薦しています
林明子さんの絵本には他に「きゅっきゅっきゅっ」「はじめてのおつかい」「おふろだいすき」など多数あります。どの作品にもこどもの育ちを見守る優しいまなざしが感じられます。
よるくま
酒井駒子・作
偕成社 1999年・えほん
男の子の語りで全編は流れていきます。絵本の色や構図がとても詩的でドラマチック。
よるくまの可愛さに、胸がキュンと痛くなります。
酒井駒子さんの作品は他に「よるくまクリスマスのまえのよる」「ぼくおかあさんのこと」「ロンパーちゃんとふうせん」もお薦めです。
ルラルさんのにわ
いとうひろし・作
ポプラ社 2001年・えほん
これはルラルさんです。庭の手入れに関しては超完璧主義のいやなおじさんなんですね、これが。
庭に入ってくる動物たちをパチンコで狙い撃ちするのですが、ある日ワニが現れる…、で!?
最後の結末がなんとも平和で、肩の力がいいかんじに抜ける絵本です。
いとうひろしさんの「おさるになるひ」もお薦めで、これもシリーズであります。子どもたちに何度も「読んで!」とせがまれました。
いとうさんの作品にはどれも、「人生肩の力をぬいて生きていいんだよ」って、優しいメッセージが流れています。
孫の育ちを見守るおじいちゃんのやさしいまなざしが素敵な絵本「だいじょうぶだいじょうぶ」も、いとうさんの作品です。こちらも是非。
めっきらもっきらどおんどん
長谷川摂子・文 降矢なな・絵
福音館 1990年・えほん
ダイナミックな絵とスピード感のある展開は3人の娘たちみんなに人気です。
降矢さんの絵に惹かれて「ともだちや」のシリーズも読みました。こちらも内田麟太郎さんとの文章とぴったりで面白いです!
ペンギンハウスのメリークリスマス
斉藤洋・文 伊藤寛・絵
講談社 1989年・よみもの
斉藤洋さんといとうひろしさんのコラボレーション。
小さな港町の小さなレストランの物語。
年末のある夜、レストランを訪れた白いひげのおじいさん。夕ごはんのお礼にと、おじいさんが残していったペンギンの置物が、店の主人にしてくれたことは……?
ペンギンちゃんをそっと抱きしめたくなる一冊です。
チョコレート工場の秘密
ロアルド・ダール・作 クェンティンブレイク・挿絵
評論社 2005年
先輩ママさんから、「児童書ならこれが面白い」と教えてもらったのが10年以上前。
娘とはまりました(^_^) チョコレートの川を想像しては、行ってみたいなあと、にんまりしたものです。
続編の「ガラスのエレベーター」も一緒にどうぞ。
モモ
ミヒャエル・エンデ・作 大島かおり・訳
岩波書店 1976年・よみもの
時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語 時間に追われ,人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に,風変りな少女モモが時間の真の意味を気づかせます.
この本は大人になってから読みました。娘とファンタジーの読み物の世界へと向いていくきっかけになった本です。映画にも舞台にもなっている有名なお話です。どの年齢になって読んでも、その世代に応じた感動と気付きを与えてくれる物語だと思います。
精霊の守り人
上橋菜穂子・作
偕成社 2000年・よみもの
ハリーポッター人気で、児童書のファンタジーというジャンルが一躍脚光を浴びました。日本のファンタジーの作家で誰が好き?と聞かれれば、迷わず上橋菜穂子さんを挙げたいと思います。
体の中に精霊のたまごを宿してしまった皇子チャグム、そしてチャグムの命を守る用心棒となってしまった
短槍使いの名人バルサが、王位継承の争いの大きな波にのまれ、逃亡の旅にでるお話ですが、上橋さんの描写が素晴らしいです。王家と民、多くの民族、世界観や風習の違いの細かい表現。目の前で繰り広げられているかのように感じさせる文章の力で、読み手を物語の世界へぐいぐい引き込んでいきます。
守り人シリーズと旅人シリーズを併せて壮大な一つのストーリーとなっています。
エナミ 編
ベンのトランペット
レイチェル・イザドラ・作 谷川俊太郎・訳
あかね書房 1981年・えほん
黒人少年ベンは、ジャズに憧れ、トランペットを吹きたいと願いますが、貧しさのため、トランペットを手に入れることができません。
仕方なく、トランペットを吹くマネをしますが、皆に笑われます。そこにジャズバーのトランペッターがやってきて・・・。
トランペッターのセリフにジーンときます。モノクロの美しい絵にも注目です。
かえりみち
森洋子・作
トランスビュー 2008年・えほん
普通の帰り道のようだけど、実は・・。ほら、気をつけて帰らないと、大変なことになってしまう。
ノスタルジックな絵柄も好みですが、子どものころには見えていた世界(見えたのかなあ、見えればよかったのに、と思いますが)というのも郷愁を感じる一因かも。
よみきかせには向かないかもしれませんが、じっくりながめてほしい本です。
サーカスへようこそ
すまいるママ・作
PHP研究所 2008年・えほん
よくみてください。この絵全部、布やビーズで出来てるんです!何よりこの手法がみどころ。カラフルでとてもかわいらしい絵柄にメロメロです。家にかざっておきたい。ヌイグルミを愛でる気持ちににているかも。
ふしぎなかぎばあさん
手島悠介・作 岡本さつこ・絵
岩崎書店 1976年・よみもの
今となっては普通ですが「かぎっ子」ということばがはやった時代があります。
お父さんもお母さんも働いていて家にいないので、自分で家の鍵をもっていなくちゃならない子どものこと。
誰でも、鍵をなくしてヒヤっとすることがありますよね。こどもだったらなおさら辛いでしょう。
寒空のした、鍵をなくして心細いかぎっ子のもとに、かぎばあさんはやってきます。腕に下げたたくさんの鍵のたばから、その子の家にぴったり合う鍵をみつけて、大きな鞄から次々とすてきなものを出して、こどもたちを喜ばせます。
和製メリーポピンズ。イラストもとてもかわいらしいです。
子どものころ一番好きな本でした。かぎばあさんの作る料理のおいしそうなこと!かぎばあさんの演じる紙芝居のおもしろそうなこと!いろんな事情を抱えた子どものところにかぎばあさんはやってきて、悩みを解決します。20巻ありますが、どの巻もおもしろい。
なかでも演劇をやるシーンの出てくる『かぎばあさんぼうけんの島へ』(1988年)が、昔も今も一番お気に入りです。
獣の奏者 闘蛇編・王獣編
上橋菜穂子・作
講談社 2006年・よみもの
ハマサキが、『精霊の守り人』をご紹介しています(わたしも大好きです)が、「長すぎるよ〜」という人には、こちらからおすすめ。
決して人と慣れないとされていた「獣」を育てるうちに、だんだん心が通いあうようになっていく少女エリン。しかし牙をむけば人を一度にかみ殺してしまう力をもつその「獣」。
エリンは本当に彼らと心を通わせることができるのか?というドキドキ。また、エリンの住む国を統治する王族についても、まるで今の世の中を映し出したように鮮やかに、描ききっています。
ナガヤ 編
ケイティー
ポリー・ダンバーさく・え もとしたいずみ訳
フレーベル館
2004年・よみもの
気分のさえないケイティー、それは「色が足りない」せいだと感じます。
元気を出すため緑色の帽子をかぶって、まっきいろのタイツに青い靴。
とんでもない組み合わせのはずなのに、なぜかとてもきれい!
顔を絵の具で青くして・・・のあたりからは「えー!」の連続ですが、
読んでいる方も、だんだん気分が明るくなってきているのに、気づきますよ。
楽しくてかわいい、お気に入りの一冊です。
アリのさんぽ
こしだミカ
架空社 2005年・えほん
アリは考えます。「このみちいったいどこまでつづいてるんやろ」
出会う動物たちに尋ねます。「このみちどこまでつづいてるんかしってる?」
でも、納得のいく答えをしてくれる者には、なかなか出会えません。
最後に、沼の主ヌマベリの所へ、勇気を出して聞きに行きます。さて、ヌマベ
リの答えとは・・・。
非常に深みのある言葉です。心にずっしり、きました。
ダイナミックでちょっとグロテスクな絵も、インパクトがあります。
大人になりたくなかった少女の物語
立原えりか作 高柳佐知子絵
サンリオ 1977年・よみもの
童話作家になりたい女の子のおはななしです。立原さんの少女時代が、モデル
になっています。
中学生の時、よく通っていた雑貨屋さんで、この本を見つけました。題名を見
ただけで、衝動買い。
大人になることに抵抗があって、作家になることを夢みていた私は、主人公に
自分を重ね合わせ、強く共感したのです。でも、大人になりたくなかった一少女は、結局、平凡な
大人になってしまいました。
この本、今では絶版になっているようです。残念です。
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